もくもく生活日記

日々の生活で思ったことを少しずつ。

10年が経ちました

お父ちゃんへ

 

今日でお父ちゃんが居なくなって10年になりました。天国にはもう慣れましたか?

 

お父ちゃんがそっちの世界に行ってから、たくさん天国の本を読みました。

想像した食べ物がすぐに食べられるとか、神様に会いに行けるとか、亡くなった知り合いにも会えるとか、いいことばっかり書かれていました。

本当に楽しそうなことばっかりで、お父ちゃんがいるところが幸せそうなところでよかったと思ったのに、なんでか涙が止まりませんでした。

 

10年間色んなことがあったよ。

今でも昨日のことのようにお父ちゃんがいた日を思い出せるのに、駅ビルは進化するし私の背もすっかり伸びるし、あっという間なようでやっぱり10年は長かったです。本当に色んなことが変わりました。

一生懸命話してくれていたサンタさんの正体ももうわかっちゃったけど、プレゼントを開ける私たちを嬉しそうに見ていたお父ちゃんの顔は今でもちゃんと覚えてます。

お父ちゃんが乗せてくれたバイクも、もうすぐ自分で運転できるようになれそうです。今教習所に行ってるんだけど、お父ちゃんに似て方向音痴になっちゃったので試験をなかなかクリアできそうにありません。

 

今の私をみてどう思っていますか?

髪を染めてピアスも開けて、毎日お化粧してヒールも履くようになりました。

10歳の時と見違えた姿にびっくりしてくれるかな。それとも、もうちょっとちゃんとしなさいって言われるかな。お父ちゃんはきっとそんなこといわずに、少し緊張した顔をしながら褒めてくれるような気がしてます。

 

見た目が変わっても、10年の時が経っても、1日だってお父ちゃんのこと忘れた日はありませんでした。いつだって会いたいよ。昨日だって今日だって、こうして書いている今だってすごく会いたいです。

 

ちゃんとした大人になって、天国で安心して見てられるような娘になるって約束したのに、まだまだお父ちゃんのことを思うと涙が溢れて、会いたくて会いたくて、あの頃のお父ちゃん子から何にも変われていません。

でもね、大好きだから、何歳になっても、もう会えなくても。

バイク乗りだったり、編集者だったり、色んな人に応援されていたお父ちゃんにはたくさんの顔があったと思うけど、私にとってはただのお父ちゃんで、私だけのお父ちゃんでした。

 

お願いだから、一回だけでいいから帰ってきて。もう一度だけバイクに乗せて。一本だけでいいから映画に連れて行って欲しいです。

それがもう叶わないことも、たまに見るファンタジー映画も現実じゃありえないことも本当はちゃんとわかってるんだけどね。

 

だから私は夢に見るんです。突然家のドアが開いて、びっくりして弟と玄関に走っていくとお父ちゃんがいて、「大きくなったなあ」って私の頭に手を乗せてくれる夢。お母さんはすごく嬉しそうで、家族4人でご飯を食べて。他愛もない話をしながらも私はお父ちゃんが消えてしまわないようにずっとそばにいて、夢の中でこの時間がずっと続けばいいのにって願っていました。

 

二十歳になる日に一緒にお酒を飲みたかった。

成人式に振袖を見せたかった。

結婚式、一緒にバージンロードを歩いて欲しかった。

私の未来の子供のこともバイクに乗せて欲しかった。

まだまだたくさん、本当にたくさんお父ちゃんとしたいことがありました。

なんでもうできないのかな。

10年前の今日が、あの日がなければ全部叶ってたのかな。

今でもどうしようもなく悔しくて悲しくて、寂しい気持ちでいっぱいになります。

 

後ろ向きなことばっかり言ってられないと思っていても、それも含めて全部本音です。前向きな気持ちと寂しい気持ちがいつだって戦っていて、いつもは前向きな気持ちが勝っていても、ふっと寂しさに負けてしまう日もあります。

きっとそれは一生変わらないだろうけど、お父ちゃんを大好きなことも、会いたい気持ちもずっと変わりません。

 

今日が過ぎればお父ちゃんがいない人生の方が長くなる一方で。嫌でも時間は進んでいくし、お父ちゃんと過ごした時間がどんどん遠くなっていくことが今とても寂しいです。

 

でも、今私はすごく幸せです。

優しい彼氏とたくさんの大好きな友達がいて、本当に周りの人に恵まれて毎日楽しく過ごしています。だから安心してね。

 

たまにはまた夢で会いにきてください。夢の中でたくさん名前を呼んで、バイクに乗せてね。それから、私にだって伝えたいことがたくさんあるんだから、いっぱい話を聞いてください。

 

もし一つ願いが叶うなら、今でも私はお父ちゃんに会いたいです。

 

今日も明日も、10年後も、ずっとずっと大好きだよ。

 

近くで見守っていてね。